「毎日忙しいのに、なぜかお金が残らない」
飲食店経営をしていると、多くの人が一度はこの状態に直面します。
ランチは満席、ディナーもそこそこ入っている。それなのに、月末になると利益がほとんど残っていない。
むしろ「こんなに働いているのにこの程度なのか」と感じることもあるでしょう。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
結論から言うと、飲食店が儲からない理由は「売上が足りないから」ではないことがほとんどです。
本当の問題は、「利益の構造」にあります。
この記事では、飲食店が儲からない本当の理由を構造的に解説し、どこを改善すれば利益が残るのかを具体的に説明していきます。
売上があるのに儲からないという現象

まず最初に理解しておくべきなのが、「売上」と「利益」は全く別物だということです。
多くの飲食店では、売上が上がることを目標にしています。
もちろん売上は重要ですが、それだけでは経営は成り立ちません。
飲食店の利益は、次の式で決まります。
売上 − 原価 − 人件費 − 家賃 − その他経費 = 利益
ここで重要なのは、「売上以外の要素」です。
例えば、月商300万円の店でも
- 原価 90万円
- 人件費 90万円
- 家賃 60万円
- その他経費 40万円
これだけで利益は20万円しか残りません。
さらに少しでもコストが上がれば、すぐに利益は消えてしまいます。
つまり、「売上がある=儲かる」ではないのです。
原価率だけを気にしてしまう落とし穴

飲食店では「原価率30%」という言葉がよく使われます。
そのため、多くの人が「原価率を下げれば儲かる」と考えがちです。
しかし、これは半分正しく、半分間違っています。
確かに原価率を下げれば利益は増えるように見えます。
しかし、原価を下げるために食材の質を落とした場合、味や満足度が下がります。
その結果、リピーターが減り、売上が落ちる可能性があります。
また、原価率が低くても売上が小さければ意味がありません。
例えば
- 原価率20%で売上50万円 → 利益は小さい
- 原価率35%で売上200万円 → 利益は大きい
このように、重要なのは原価率そのものではなく「全体のバランス」です。
人件費が利益を圧迫する構造

飲食店のコストの中で、原価と並んで大きいのが人件費です。
特に「忙しい店ほど人件費が増える」という構造があります。
例えば
- 売上を伸ばすために人を増やす
- サービス維持のために人を減らせない
- 結果として人件費が膨らむ
この状態になると、売上が増えても利益が増えません。
さらに悪いケースでは、売上が増えるほど忙しくなり、利益率が下がるという状況になります。
人件費は売上の25〜30%に抑えるのが一般的な目安ですが、これを超えている場合は見直しが必要です。
価格設定が安すぎる
多くの飲食店がやってしまうのが、「安さ」で勝負してしまうことです。
特に開業初期は、「まずはお客様に来てもらいたい」という気持ちから価格を低く設定しがちです。
しかし、この価格が後々の経営を苦しめます。
例えば、コーヒーを300円で販売している場合、1杯あたりの利益は限られます。
これをカバーするためには、相当な数を売る必要があります。
つまり、「安い価格=大量販売が必要」という構造になります。
しかし、席数や時間には限界があります。
その結果、「忙しいのに儲からない」状態になります。
価格は「安さ」ではなく、「価値」で決める必要があります。
固定費が重すぎる
家賃や光熱費などの固定費も重要なポイントです。
これらは売上に関係なく発生するため、利益を圧迫します。
特に立地を重視しすぎて家賃が高くなりすぎるケースはよくあります。
また、最近は電気代の上昇により、以前よりも固定費の負担が大きくなっています。
固定費が高いと、売上が少し落ちただけで一気に赤字になります。
このリスクを理解していないと、安定した経営は難しくなります。
儲からない店の共通点
ここまでの内容をまとめると、儲からない店には共通点があります。
- 売上だけを追いかけている
- 原価率だけを気にしている
- 人件費の管理ができていない
- 価格が安すぎる
- 固定費が高い
これらが重なることで、「忙しいのに利益が残らない」という状態になります。
利益が残る店になるための考え方
では、どうすれば利益が残る店になるのでしょうか。
重要なのは、「売上」ではなく「利益」を基準に考えることです。
具体的には
- 適正な価格設定
- バランスの取れた原価管理
- 人件費の最適化
- 固定費の見直し
これらを組み合わせることで、安定した利益を出すことができます。
まとめ
飲食店が儲からない理由は、単純ではありません。
しかしその多くは、「構造」を理解していないことにあります。
売上だけを追うのではなく、利益の仕組みを理解することが重要です。
これができるようになると、同じ売上でも残る利益は大きく変わります。
これからの飲食店経営では、「どれだけ売るか」ではなく「どれだけ残すか」が重要になります。



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