前回の記事では、「飲食店が儲からない理由」について解説しました。
忙しいのに利益が残らない。その原因は売上ではなく「構造」にあるという話です。
では逆に、利益がしっかり残る飲食店は何が違うのでしょうか。
実は、儲かっている店は特別なことをしているわけではありません。
ただし一つだけ決定的に違う点があります。
それは、「利益が残る仕組みを持っている」ということです。
この記事では、安定して利益を出す飲食店の考え方と、その仕組みを具体的に解説していきます。
利益は「売上」ではなく「構造」で決まる

まず最初に理解すべきなのは、利益は売上ではなく構造で決まるということです。
飲食店の利益は、次の式で決まります。
売上 − 原価 − 人件費 − 固定費 = 利益
この式はシンプルですが、非常に重要です。
例えば、月商300万円の店があったとします。
- 原価 90万円
- 人件費 90万円
- 家賃 60万円
- その他経費 40万円
この場合、利益は20万円しか残りません。
ここで売上を350万円に増やしたとしても、人件費や原価が同時に増えれば、利益は思ったほど増えません。
つまり、「売上を上げる=利益が増える」ではないのです。
利益が出る店は、この構造を理解し、コントロールしています。
客単価を上げることで“無理のない売上”を作る

利益が出る店は、「客数」だけに頼っていません。
重要なのは客単価です。
多くの店が「もっとお客様を増やしたい」と考えますが、席数や営業時間には限界があります。
そこで必要になるのが、「1人あたりの売上を上げる」という考え方です。
例えば
- 客単価500円 × 100人 = 売上5万円
- 客単価1000円 × 100人 = 売上10万円
同じ人数でも売上は倍になります。
さらに、客単価が上がることで、利益も増えやすくなります。
具体的には次のような方法があります。
セットメニューの活用
単品ではなくセットで提案することで、自然に単価を上げることができます。
追加注文の導線設計
デザートやドリンクを頼みたくなる仕組みを作ることで、無理なく売上を伸ばせます。
高単価商品の導入
一部に高価格帯の商品を用意することで、価格の基準を上げることができます。
ドリンクで利益を作るのが基本戦略

特にカフェや軽飲食では、ドリンクが利益の柱になります。
コーヒーや紅茶は原価率が低く、利益率が高い商品です。
例えば
- 原価100円 → 販売500円
この場合、原価率は20%で、非常に利益が出やすい商品です。
一方でフードは原価率が高くなりがちです。
そのため、利益が出る店は「ドリンクの注文率」を上げることに注力しています。
具体的には
- セットでドリンクを選ばせる
- おすすめ表示を強化する
- ドリンクメニューを魅力的にする
これにより、全体の利益構造を改善しています。
人件費は“削る”ではなく“最適化”する
人件費は飲食店にとって非常に大きなコストです。
しかし、単純に削ればいいわけではありません。
人を減らしすぎると
- 提供スピードが落ちる
- サービスの質が低下する
- 回転率が下がる
結果として売上が落ちます。
一方で、人を増やしすぎると利益が圧迫されます。
重要なのは「最適な人数」を見つけることです。
例えば
- ピーク時間だけ人を増やす
- 暇な時間は最小限にする
- 業務を効率化する
こうした調整ができる店は、利益を残しやすくなります。
目安として、人件費は売上の25〜30%以内に収めることが重要です。
価格は「安さ」ではなく「価値」で決める
利益が出る店は、価格で勝負していません。
安さを武器にすると、必ず限界が来ます。
例えば、コーヒーを300円で販売した場合、利益を出すには大量に売る必要があります。
しかし、席数や時間には限界があります。
つまり、「安さで勝つビジネスモデル」は長続きしません。
利益が出る店は、価値で選ばれる店を作っています。
その結果、適正な価格でもお客様が離れません。
固定費を抑えることで“耐久力”を持たせる
家賃や光熱費などの固定費は、経営の安定性に直結します。
固定費が高すぎると、売上が少し落ちただけで赤字になります。
一方で、固定費が低ければ、売上が多少落ちても耐えられます。
利益が出る店は、この「耐久力」を持っています。
そのため
- 無理な立地を選ばない
- 過剰な設備投資をしない
- コストを常に見直す
こうした判断ができています。
まとめ
利益が出る飲食店には、明確な仕組みがあります。
- 売上ではなく構造を見ている
- 客単価を上げている
- ドリンクで利益を作っている
- 人件費を最適化している
- 価格を価値で決めている
- 固定費を抑えている
これらをバランスよく組み合わせることで、安定した経営が可能になります。
飲食店経営で重要なのは、「どれだけ売るか」ではなく「どれだけ残すか」です。
この考え方を持つことで、同じ売上でも残る利益は大きく変わります。
ぜひ自分のお店の仕組みを見直し、利益が残る経営を目指してみてください。



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